動画つきの音源を再生するとき、その映像を対応する外部ディスプレイへ映す機能です。iPhone / iPad と Android のつなぎ方、黒い画面や黒帯が正常であること、映像が出ないときの確認順を説明します。
外部ディスプレイへの映像出力
動画(MP4 / MOV など)を音源として登録した曲を再生すると、その映像を対応する外部ディスプレイへ映せます。 客席には曲に合わせた映像やロゴを見せながら、手元では楽譜を読んで演奏できます。動画の登録と接続を準備すれば、曲の再生操作で映像も進みます。
客席へ映像を出さない演奏では、外部ディスプレイの準備は不要です。手元で映像の合図だけ確認したい場合は、スクリーンをつながず映像プレビューを使えます。
この機能は iPhone / iPad と Android で利用できます。Android では、端末がシステム上の外部ディスプレイとして認識した接続だけで使えます。
ミュージックビデオを客席に出すまで
- 動画を音源として登録します。 ライブラリの音源タブで、右下の追加ボタンから動画ファイルを選びます(音声ファイルと同じボタンです)
- 曲に音源として付けます。 セットリスト内の曲の設定で、その曲の音源として動画を選びます。同じ曲を別のセットリストで使っている場合も、選んだ音源が使われます
- 外部ディスプレイをつなぎます。 接続できる経路は下の「端末ごとのつなぎ方」を確認してください
- 「外部ディスプレイへ映像を出す」をオンにして、動画つきの曲を開きます。 読み込みが終わると、初期設定では再生前でも動画の現在位置の静止画がスクリーンに映ります。オフなら端末の画面がミラーリングされます
- 曲を再生します。 表示されていた位置から映像と音が始まります。客席側のスクリーンを見て、音も本番で使うスピーカーから聞こえることを確かめます。映像と音が一定量ずれる場合だけ、映像デバイスの遅延補正へ進みます
音を PA やスピーカーへ送る場合は、iPhone / iPad では手順 3 より前にオーディオインターフェースをつないでおいてください(下の「iPhone / iPad でのつなぐ順序と音の出どころ」)。
手元でも客席の映像を確認する
外部ディスプレイへ映像を出している間も、楽譜上の「映像プレビュー」で動画と再生位置を確認できます。下の「再生前後の表示」で指定した画像や黒画面も同じ設定に従います。客席側のスクリーンが演奏者の背中側にある本番で、表示内容を手元で確認するための機能です。
外部ディスプレイをつないでいないリハーサルでも、映像プレビューは同じように使えます。楽譜上部の表示メニューで「映像プレビュー」をオンにしてください。映像プレビューをオフにしても、外部ディスプレイの映像と音声は止まりません。詳しい操作は映像プレビューを参照してください。
オンとオフ
外部ディスプレイの扱いは、グローバル設定の「オーディオ・映像出力」にある「外部ディスプレイへ映像を出す」で切り替えます。初期状態はオンなので、ふだんは触らなくてもそのまま映ります。
- オン: 外部ディスプレイはこのアプリ専用の画面になります。初期設定では動画つきの曲を開くと停止中の静止画が映り、再生するとそこから動きます。動画も表示する画像もないときは黒い画面になります
- オフ: ふだんの端末と同じ画面ミラーリングに戻ります。手元の楽譜の画面がそのまま外部ディスプレイに映ります
スイッチの下に、いまの状態(出力中・未接続・確認中・切り替え中など)が表示されます。タブレットの画面をそのまま見せたい場面ではオフに、ミュージックビデオを見せる本番ではオンにしてください。
黒い画面や黒帯が出る場面
外部出力がオンでも、動画も表示する画像もないときや、「黒画面」を指定した先頭・末尾では、スクリーンは黒くなります。表示する内容を初めて準備している間も黒くなることがあります。次の内容の準備中に、直前の映像や画像が一時的に静止して残る場合もあります。
動画つきの曲は、先頭・末尾の表示を変更していなければ、読み込み後に現在位置の静止画が映ります。予想と違って黒いときは「再生前後の表示」の設定と、下の「Android で映像が出ないとき」を確認してください。
また、映像は切り取らず全体を映すため、縦長の動画では左右に黒い帯が出ます。これも正常で、設定はありません。
端末ごとのつなぎ方
iPhone / iPad
- 無線(AirPlay): 画面右上から下へスワイプしてコントロールセンターを開き、「画面ミラーリング」から Apple TV や AirPlay 対応テレビを選びます。
- 有線(HDMI): 端末に合う HDMI 変換アダプター(USB-C または Lightning)でテレビやプロジェクターにつなぎます。
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Android
- 無線: 端末のシステム設定で、外部ディスプレイとして認識される無線ディスプレイへ接続します。Miracast は対応例です。
- 有線(HDMI など): 端末が対応する有線映像出力で、テレビやプロジェクターへつなぎます。USB-C 端子があっても映像出力に対応しない端末があるため、端末の仕様を確認してください。
Google Cast / Chromecast はこの機能の接続先としては使えません。Cast は受信機側が映像を独自に取得・再生する方式で、PagePilot の外部ディスプレイ出力とは別の仕組みです。Android では、すべての端末と無線受信機の組み合わせで映るわけではありません。
端末と同じ画面を映すミラーリングは、この外部映像出力とは別です。ミラーリングの可否と操作は Android 端末、OS、受信機によって異なるため、すべての Android で「キャスト」を使えるとは限りません。次の Pixel 向け手順を、Pixel 以外の Android の共通手順として使わないでください。
Google Pixel をお使いの場合
Pixel は全機種が無線ディスプレイに対応していません。 無線でこの機能を使うことはできません。
Pixel の設定にある「キャスト」は Google Cast です。Chromecast や Google TV につなぐと画面はテレビに映りますが、この接続では外部映像出力は始まらず、状態は「出力中」になりません。不具合ではありません。
有線は機種によって分かれます。Pixel 8 / 8a / 8 Pro、Pixel 9 シリーズ、Pixel 10 シリーズは USB-C からの映像出力に対応しています。Pixel 7 以前と Pixel Tablet は有線でも映像を出力できないため、この機能を使えません。
手元と同じ画面をテレビに映すだけでよい場合は、「外部ディスプレイへ映像を出す」をオフにしたうえで、Pixel の「キャスト」で画面ミラーリングを使ってください。楽譜もそのまま映ります。
iPhone / iPad でのつなぐ順序と音の出どころ
AirPlay ミラーリングを始めると、アプリの音も既定ではスクリーン側から鳴ります。テレビのスピーカーだけで鳴らす小さな会場なら、そのままで大丈夫です。
音を PA やスピーカーから鳴らしたいときは、次の 2 点を守ってください。
- オーディオインターフェースなど音の機器を先につないでから、ミラーリングを始める。 逆の順序では機器との接続が切れてしまいます
- 音の出力先はミキサー設定で選んでおく
Android で映像が出ないとき
まず、次の順番で確認してください。
- 「外部ディスプレイへ映像を出す」がオンで、副題が「オン(外部ディスプレイへ出力中)」になっているか確認します。「未接続」や「確認中」なら、続けて接続を確認します。
- Android のシステム設定で、外部ディスプレイへの接続が完了しているか確認します。
- Miracast など、端末が外部ディスプレイとして認識する対応経路を使っているか確認します。有線の場合は端末の映像出力対応も確認します。
- 動画つきの曲を開きます。初期設定では読み込み後に現在位置の静止画が映ります。先頭に「黒画面」や画像を指定している場合は、動画の使用範囲の途中へ位置を移して確認してください。
- 楽譜上で映像プレビューを表示している場合は、外部画面と映像プレビューの両方に同じ位置の静止画が出ることを確認します。片方だけが黒い場合は、いったん曲を閉じて再接続するのではなく、その状態と操作順を記録して報告してください。
- 静止画を確認してから再生します。Android では音声の出力先と Miracast の映像先は別に選ばれるため、音がタブレットや選択中のオーディオ機器から鳴ること自体は異常ではありません。
副題が「オン(無線ディスプレイを検出できません)」の場合、無線ディスプレイの検出を利用できません。この表示は有線出力を無効にするものではありません。有線でつないでいる場合は、そのまま接続と再生を確認してください。
外部映像がカクつく・大きく遅れるとき
外部ディスプレイの動画がカクつく、コマ落ちする、または見て分かるほど遅れて見える場合、多くはその動画が、使っている端末と接続先の能力に対して重いことが原因です。同じ動画でも、端末、接続方法、受信機、テレビの組み合わせによって結果が変わります。アプリは外部ディスプレイ側で実際に表示されたコマを直接確認できないため、すべての組み合わせで滑らかさを保証することはできません。
映像プレビューを表示している場合は、まず楽譜上部の表示メニューで「映像プレビュー」をオフにしてください。手元の小窓だけが閉じ、外部ディスプレイの映像と音声はそのまま続きます。手元の小窓を描く処理が減るため、改善する場合があります。
改善しない場合は、動画そのものの負荷を下げます。60 fps などの高いフレームレートの動画は、無線のつなぎ方で送りきれないことがあります。フレームレートを下げて書き出し直すと改善することがあります。すべての端末や接続先に共通する数値上の推奨値はありません。本番で使う端末、接続先、同じ再生区間で事前に確認してください。
無線と有線の両方が使えるなら、有線でつなぎ替えて同じ区間を再生します。有線で改善するなら、無線の接続や受信機を含む構成による違いを切り分けられます。
Android で「端末側で映像処理の遅れを検出しました」と表示された場合、これは Android 端末内の映像処理が続けて遅れたことを示します。テレビや Miracast の受信機で最終的にどう表示されたかを、アプリが直接確認した通知ではありません。通知が出ても、アプリが再生を止めたり、映像プレビューを自動でオフにしたりすることはありません。
Android で Miracast へ送る音声が途切れるとき
動画つきの曲の音声を Miracast で外部ディスプレイへ送ると、音が途切れることがあります。端末によっては、動画を再生する処理と、Miracast で画面を送る処理が、端末内の同じ映像処理用の仕組みを使い合うためです。音声だけの曲では起きにくく、音声を端末やつないだオーディオ機器から出している場合は起きません。
まず、動画を 720p(1280×720)以下で書き出し直してください。動画の処理が軽くなり、Miracast の送信と取り合いにくくなります。
音が途切れていなければ、「動画をソフトウェアでデコードする」は既定のオフのままで構いません。上の 720p 以下への変更でも途切れる場合に試します。
- グローバル設定の「オーディオ・映像出力」で「動画をソフトウェアでデコードする」をオンにします。
- 曲をいったん閉じて開き直します。変更は次に曲を開いたときから反映されます。
- 同じ区間を再生し、Miracast へ送る音が続けて聞こえるか、映像の滑らかさも含めて確認します。
動画の読み出し処理を CPU に任せ、Miracast の送信と同じ映像処理用の仕組みを取り合うのを避ける設定です。
- CPU の負荷が上がり、映像の滑らかさがオフのときより劣ることがあります。720p を超える動画では処理が追いつかず、カクつくことがあります。
- 改善しない場合は、オフに戻して曲を開き直します。音声を Miracast ではなく端末やつないだオーディオ機器から出す構成も試せます。ミキサー設定で出力先を選び、実際の音を確認してください。
再生位置を移動すると映像の切り替わりが遅れるとき
再生位置を移動すると、映像は新しい位置の正確なコマが用意できるまで、直前のコマを映したまま待ちます。再生中なら音は新しい位置からすぐに続き、映像は用意でき次第、音に合わせて動き出します。
待ち時間は動画の作り方で大きく変わります。動画は、数秒おきに置かれた基準のコマ(キーフレーム)と、そこからの差分で記録されています。PagePilot は指定した位置の正確なコマを映すため、直前のキーフレームから順に処理します。キーフレームの間隔が長い動画ほど処理するコマが増え、待ち時間が長くなります。処理の速さは端末によって違い、Android 端末では数秒かかることがあります。
待ち時間を短くしたい場合は、動画を書き出すときにキーフレームの間隔を 1〜2 秒にしてください。編集ソフトや変換ソフトでは「キーフレーム間隔」「キーフレームの最大間隔」「GOP」などの名前の設定です。PagePilot は登録した動画を変換しません。
映像と音がズレて見えるとき
無線のスクリーンでは、映像がわずかに遅れて届くことがあります。ズレは映像デバイスの遅延補正で合わせられます。
合わせるのは、全曲に同じだけ効く一定量のわずかなズレです。見て分かるほど大きくずれる場合は補正で直す種類のズレではなく、前の「外部映像がカクつく・大きく遅れるとき」を確認してください。
必要な場合だけ、再生前後の表示を変える
動画を使うだけなら、この設定は不要です。再生前に動画の最初の画面を見せたくない場合や、演奏後にロゴを残したい場合に「再生前後の表示」を使います。動画ファイルを編集するのではなく、表示を黒画面や登録した画像へ切り替えます。音の再生や楽譜の表示は変わりません。
設定を開く場所と変更の範囲
- セットリストの各曲に共通の設定: セットリスト詳細の上部メニューから「再生前後の表示」を開きます。
- 曲ごとの設定: 「項目設定」の下部にある「再生前後の表示」を開きます。ライブラリの曲メニューからも開けます。同じ曲を別のセットリストで使っている場合も、この曲の設定変更が反映されます。
セットリストでは各曲の既定の表示を決めます。曲の「先頭」「末尾」が「セットリストの設定に従う」なら、その側に共通設定を使います。曲で別の選択肢を指定した側は、曲の設定が優先されます。
画像を選ぶ・解除する
- 「画像を選ぶ」を開き、登録済みの画像を選ぶか、「ファイルから登録」で JPEG / PNG の静止画像を登録します。
- 「先頭」「末尾」の表示を選び、「保存」を押します。セットリストで画像を選ぶと、両方とも「セットリストの画像」に切り替わります。片側だけ使いたい場合は、保存前にもう片側を変更してください。曲で画像を選ぶだけでは、先頭・末尾の選択は変わりません。
画像の指定を外すときは、「画像を選ぶ」の横の「解除」を押して保存します。画像がなければ「解除」は押せません。解除しても、登録した画像そのものは削除されず、先頭・末尾の選択も変わりません。 画像表示を指定したまま画像を解除すると、その表示は黒になります。
設定を取り消した場合は、画像の指定と先頭・末尾の変更は反映されません。ただし、「ファイルから登録」で新たに登録した画像は一覧に残ります。「画像を選ぶ」から「画像を管理」を開くと、名前の変更、使用先の確認、元の画像の修復、ゴミ箱への移動ができます。
「先頭」「末尾」の選択肢
| 選択肢 | 表示 |
|---|---|
| セットリストの設定に従う | 曲だけの選択肢。その側にセットリストの共通設定を使います。セットリスト外で開いた曲では「指定しない」と同じです。 |
| 指定しない | その位置の動画を表示します。動画がない曲では曲の画像、セットリストの画像の順に使い、どちらもなければ黒になります。 |
| 黒画面 | その側では動画や画像を表示せず、黒くします。 |
| セットリストの画像 | 共通の画像を表示します。そのセットリストに画像がなければ黒になります。 |
| 曲の画像 | 曲だけの選択肢。その曲に指定した画像を表示します。曲に画像がなければ黒になります。 |
「指定しない」は「画像を一切使わない」という意味ではありません。動画のない曲で画像も出したくない場合は、画像の指定と共通設定を確認してください。
いつ切り替わるか
「先頭」は動画の使用範囲の先頭以前、「末尾」は使用範囲の終わり以降に適用されます。動画の使用範囲は、音源の開始タイミング、動画の長さ、設定した曲の長さで決まります。途中で停止しただけでは末尾の表示には切り替わりません。 途中から再生する場合や再生位置を戻す場合も、その位置で表示が決まります。
たとえば、開始前だけ黒くして終了後に共通のロゴを出すなら、セットリストでロゴを選び、「先頭」を「黒画面」、「末尾」を「セットリストの画像」にして保存します。曲側は両方とも「セットリストの設定に従う」にします。
動画のない曲でも画像は使えます。曲の先頭・末尾を「指定しない」にすると、曲の画像があればそれを、なければセットリストの画像を表示します。セットリスト詳細の上部メニューにある「映像プレビュー」では共通画像を確認できます。曲ごとの切り替わりは、曲を開いて映像プレビューで確認してください。設定画面を開いて画像を選んでいるだけでは、客席の表示は変わりません。
画像を登録・表示できないとき
登録できるのは 50 MB 以下の JPEG / PNG の静止画像です。アニメーション画像には対応しません。登録に失敗した場合は、表示された理由に応じて形式や容量を見直すか、保存元のアプリで画像を開けることを確認してください。
指定済みの画像を読み込めないときは、その画像の代わりに黒を表示し、端末側に説明を出します。「画像を管理」で「元の画像を修復」を使うか、別の画像を選んで保存してください。