外部ディスプレイの映像が音より遅れて見えるときに、映像を先回りさせてぴったり合わせる設定です。似た名前の「出力デバイスの遅延補正」との違い、無線 / 有線プリセット、2 つの校正方法を説明します。
映像デバイスの遅延補正
客席へ出す映像の口の動きや演奏の合図が、聞こえる音より少し遅れるときに調整します。無線のスクリーンなどでは、映像が届くまでの時間によって、同じ音源でも音と見た目が合わないことがあります。
「映像デバイスの遅延補正」は、その遅れのぶんだけ映像を先回りさせる設定です。使うスクリーンと音の出し方で合わせた値を保存し、次回も使います。
映像と音がすでに合っているなら、変更は不要です。使わない外部ディスプレイのために校正する必要もありません。カクつきや再生中に増えていく遅れは、一定量の補正では直せません。その場合は外部ディスプレイへの映像出力の「外部映像がカクつく・大きく遅れるとき」を先に確認します。
調整を始める入口は、グローバル設定 >「オーディオ・映像出力」>「映像デバイスの遅延補正」です。先に当日の接続に合うプリセットを選び、再生を止めて「校正」を開きます。
どちらの遅延補正?
名前の似た設定が 2 つあります。合わせたい相手で選んでください。
| 気になっているズレ | 使う設定 |
|---|---|
| スクリーンの映像と、聞こえる音がズレる | 映像デバイスの遅延補正(このページ) |
| 手元の画面(ボールの着地や再生位置)と、聞こえる音がズレる | 出力デバイスの遅延補正 |
無線と有線、2 つのプリセット
補正値は「無線」と「有線(HDMI)」で別々に保存されます。AirPlay や Miracast は無線接続の例です。無線と有線では、遅れの大きさがまったく違うためです。
どちらの値を使うかは、自動では切り替わりません。設定画面でいま有効なプリセットを確認し、当日のつなぎ方に合わせて選んでください。
保存値はスクリーン一台ごとではなく、この 2 つのプリセットです。同じ無線でも受信機やテレビ、音の出し方を替えたときは、以前の値で合うかを確認し、必要なら校正し直します。
合わせ方 1 — 音と光を合わせる(まずはこちら)
聞こえるクリック音と、スクリーンに光るフラッシュを、耳と目でそろえる方法です。ふだんの用途にはこれで十分です。
- 外部ディスプレイをつなぎ、「外部ディスプレイへ映像を出す」がオンであることを確認します(外部ディスプレイへの映像出力)。曲の再生を止めます
- 「映像デバイスの遅延補正」画面で当日の「無線」または「有線(HDMI)」を選び、「校正」を開きます(「映像出力遅延の校正」画面が開きます)
- クリック音が周期的に鳴り、スクリーンが光ります
- スクリーンを見ながら、光とクリック音がぴったり重なるまでスライダーを動かします
- 「保存」を押します。いま有効なプリセットに保存されます
- 曲を再生し、外部スクリーンの口の動きや合図が、実際に聞こえる音に合うかを確認します
校正は、本番と同じ音の出し方で行ってください。オーディオインターフェースをつながない構成では、クリック音もスクリーン側から鳴ることがありますが、そのまま「聞こえるクリックと光を合わせる」で正しく合います。
合わせ方 2 — 写真の数字を調整の手掛かりにする
両方の画面を写真に 1 枚で収め、写っている数字の差から映像の遅れを求める方法です。耳と目だけではスライダーを合わせづらいときの補助に使います。写真は音を測らないので、反映したあとも「合わせ方 1」のクリック音と光、実際の曲で確認してください。
- 「映像デバイスの遅延補正」画面で「計測用カウンターを外部ディスプレイに出す」をオンにします。スクリーンの中央に大きなカウンターが、手元の画面には左下に小さな緑の数字が出ます
- スマートフォンなどのカメラで、両方の画面が 1 枚に入る写真を撮ります
- 写真に写った 2 つのカウンター(それぞれいちばん大きい数字どうし)の差を読み取ります。手元のほうが大きい数字になります
- カウンターはオンにしたまま「校正」を開き、「測定した値を入力する」のフレーム差に差を入力して「反映」を押します。時間への換算はアプリが行い、換算に使う実効レート(画面が 1 秒間に描き替わる回数)も表示されるので検算できます。写真からミリ秒の差が直接読めた場合は、ミリ秒差の欄に入れても構いません
- スライダーが入力した値まで動いたことを確かめて、「保存」を押します
- 終わったらカウンターをオフに戻します(曲の再生を始めた場合は自動でオフになります)
うまくいかないとき
- 校正画面に「外部ディスプレイが接続されていません」と出る — 先にスクリーンをつないでください。校正は、実際のスクリーンの遅れを測るので、会場のスクリーンをつないだ状態でしか行えません
- 「映像出力がオフのため画面は光りません」と出る — 設定の「外部ディスプレイへ映像を出す」をオンにしてから開き直してください
- 動画を再生中で校正できないと出る — いったん動画の再生を停止してから校正を開いてください
- 「外部ディスプレイを準備しています」と出る、または接続状態を変えても画面が変わらない — 準備が終わるまで待ち、変わらなければいったん戻って校正画面を開き直してください
- フレーム差が入力できない(欄が押せない) — 実効レートが未測定です。いったん校正画面を閉じ、前の画面で計測用カウンターをオンにして数秒待ってから、撮影してもう一度開いてください
- 前に合わせたのに、またズレている — 当日のつなぎ方(無線 / 有線)と、有効なプリセットが一致しているか確認します。スクリーンや音の出し方を替えた場合は、その構成で校正し直します
- 調整してかえって合わなくなった — 変更前の値が分かるならその値へ戻します。分からなければスライダーを 0 にして聞き比べ、合う値を保存し直します。音が聞こえない状態では値を推測して保存しないでください
- 特定の曲だけ口の動きが合わない — その動画自体の中で音と映像がズレている可能性が高く、この設定では直せません(この補正は全曲に同じだけ効きます)
- 校正しても合わない、または見て分かるほど大きくズレる — 補正で直す種類のズレではありません。その動画が、使っている端末と接続先の能力に対して重い可能性があります。60 fps などの高いフレームレートの動画は無線のつなぎ方で送りきれないことがあり、フレームレートを下げて書き出し直すと改善することがあります。有線でつなぎ替えて改善するなら、無線の接続や受信機を含む構成による違いを切り分けられます。詳しくは外部ディスプレイへの映像出力の「外部映像がカクつく・大きく遅れるとき」へ
- 手元の画面と音のズレが気になる — それはこのページではなく出力デバイスの遅延補正です